看護における口腔ケアは、従来、患者の口腔内の清潔という観点から実践されてきた。近年、医療において人々に質の高いケアを提供していくためには根拠に基づいた実践が求められるようになり、誤嚥性肺炎が口腔内の細菌によって引き起こされることが明らかになり口腔ケアの重要性が高まった。
現在では口腔ケアの概念は拡大し、口腔の保持のみならず、二次感染の予防やリハビリテーションにより人々のQOL向上を目指した技術として取り入れられるようになった。
当病棟は、脳血管疾患などによりリハビリテーションを目的とした患者が半数を占めている。高齢化も伴い要看護・介護高齢者が多く、日常生活に援助を必要とする患者が多い。
そこで今回、当病棟スタッフの口腔ケアに関する実態を「研修受講者は知識・技術共に向上し実践できている」との仮説を立て調査した結果を報告する。